デザイン+αを大切にする


はじめに

デザインに初めて触れてから学生の期間も含めると6年になりました。少しずつ変化を感じていたけれど、2020年になってやはり大きく変化したのかなと思うデザインの役割。また、地方でデザイン業をしているということも踏まえ、その中で、自分がどういう姿勢でデザインに向き合うべきかを考えながら書いていこうと思います。

デザインの守備範囲が広くなったと感じる

学生の頃学んだこと、周囲で職としてデザインをしていた人を見ていた時は、デザインはかなり職人的というか、1mm単位の世界で生きている人種だでした。もちろん今もそれは必要で、そこまで拘るべきだと思いながら日々デザインをしているつもりです。けれど、実際にはそこだけじゃ中々デザインの価値を発揮しづらくて、そのデザインの適切な評価が出来ないのではないかと感じ始めています。

・新型コロナウイルスの影響
・デザイン経営宣言
・地方でデザインをして感じること

この3つが大きい理由かなと思います。

新型コロナウイルスの影響

2020年の事柄を語るにはどうしても外せないキーワードだと思います。実際2019年に比べても大きく仕事の方式は変わったと感じます。営業規制や、展示会などのイベントの中止、その他様々な理由で苦しくなっている企業様は多いと思います。明日は我が身という状況下の中で、とにかく生きることが必要とされる年だったのではないでしょうか。

そして、これまでのデザインの捉えられ方(かっこいいとか、綺麗とか)だとデザインに対する予算は当然だけれど、カットされてしまう。デザインは外見を整えるのではなく、本質的に事業や施策を整理し、形にする、その上で結果を残す取り組みだということを改めて認識しました。

もちろん、これまでの多くのデザイナーがその部分に関して発信を続けていたけれど、これからはさらにこういった取り組みは必要ではないでしょうか。

デザイン経営宣言

2018年に経済産業省から提出された「デザイン経営」宣言。
詳しい情報はこちらからご覧ください

上記のリンク先のページでは、「ブランドに資するデザイン」と「イノベーションに資するデザイン」という言葉を軸に説明されています。デザインを行える人がプロジェクトの最上流から参画することで、事業のビジョンを最大限引き出した上での実現が可能という内容です。

ただ、このように社内にデザイン人材を雇って、かつ最上流から参画させることができる企業というのはそこまで多くないのでは、と感じています。その中で中小・零細企業にこの方法をどうカスタマイズしていくかが個人的には課題に課題に感じている部分です。

そして、ここで最も大事なのはデザインする側のマインドかなと思います。これまでの企画や仕様が決まった上でデザインすることが多かったのが、事業者のビジョンを共有して、そこに意見を言えるくらい事業に対しての理解が必要だと思います。

地方でデザインをして感じること

僕は地方でデザイン業務をしています。そこでは、新規事業を立ち上げたい人、OEMから脱却して自社のブランドを立ち上げたい人、様々です。そして、共通して感じるのは人的リソースがどうしても足りないということです。

それは、能力がとかではなくて、純粋に手数です。僕がご一緒させていただいている方達は、その業界の人に聞くとすぐ理解されるくらい技術力や歴史があったりします。けれど、そこから新しい価値を作ろうとした時にどうしても、手数が足りず苦悩する。ここに対してデザインをする側はもっと力になる必要があると思います。

フライヤー1枚、パッケージ1つ納品してもきっと何も変わらない。根本から伴走して少しずつ、少しずつ変えていく必要があると日々感じます。

最上流から関わるからこそ+αが必要だと思う

僕がすでに感じているだけでも変化があるし、その他様々な要因で、これからデザインというものの守備範囲は広くなっていきます。これからはデザイン論だけでなく、その他のコミュニケーション手段を多く持つ必要があります。

色、形の表現だけではない。仕様が決まっているものだけではない。自分自身がこれから事業をしていくぐらいの姿勢で事業、その中に含まれるデザインに向き合うべきなのかなと思います。

それは、デザインというものが事業の流れの中で上流の方に位置付けられ成果を求められる中で必要な心構えなのかなと感じています。